紛争の内容
ご相談者の方は、家庭内で暴行をふるってしまい、それにより警察が臨場し、逮捕・勾留されてしまいました。
10日間の勾留が決定されてしまいましたが、10日間仕事を休むこととなると仕事をクビになってしまうかもしれない、どうにか早く家に帰ることができないかとご相談を受けました。

交渉・調停・訴訟等の経過
すでに10日間勾留がでてしまっておりましたので、これを覆すために手続きとしては、裁判所に対して10日間の勾留決定は不相当であるということを裁判所に準抗告という手続きで伝えることになります。
勾留が決定されたときの諸般の事情を考慮して、裁判所は10日間の勾留決定を行いました。
勾留決定が不相当であると主張するためには、勾留決定がなされた当初の事情から何か変わった事情があると主張する必要があります。
ご相談の方は、暴行をしてしまったことやその態様については全て認めていらっしゃいました。
そこで、示談を行うことで事情が変わったと主張し、なんとか釈放を目指しました。
ご相談いただいた日の当日に、被害者の方とお電話でお話をし、当日に直接お会いすることとなりました(今回は、被害者の方が家族であったことから、被害者の方の連絡先を当然にご相談者の方がご存じであったため、すぐに連絡を取ることができました)。
当日に直接お会いし、そこで私から謝罪を行わせていただき、示談を行い、さらに被害者の方としても、家族が勾留され続けることは避けたいとお考えであったため、釈放の嘆願書を作成いただきました。

本事例の結末
被害者の方に示談書と釈放の嘆願書を作成していただいた結果、勾留決定から1日後に釈放となりました。

本事例に学ぶこと
勾留決定がされてしまうと、10日間身柄が拘束されるのが一般的です。また、さらに10日間の勾留が延長され、20日間の勾留がなされることも多いです。
弁護人が介入し、示談などを活動を行い、勾留が決定されたときとは状況が異なると裁判所に主張することで、勾留決定が覆される可能性もあります。
こうして示談を行うためには、弁護人の介入が必須です。
大切な方が勾留されてしまったなどの場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士 遠藤 吏恭