「書類送検」

ニュースなどでよく耳にする言葉ですが、具体的にはどのようなことなのでしょうか?

まず、被疑者を起訴するか否かの判断権は検察官に委ねられています。
そのため、警察官は捜査した事件のすべてを基本的に検察官に送致しなければなりません。
そして、捜査は、被疑者を逮捕する場合と逮捕しない場合とに分けられます。
被疑者を逮捕する場合、警察官は48時間以内に被疑者の身柄とともに捜査書類を検察官に送致しなければなりません。
他方、被疑者を逮捕しない場合、警察官は速やかに捜査書類を検察官に送致しなければなりません。

後者については捜査書類のみが検察官に送致されますので、それを報道用語で表現したものが「書類送検」ということになります。
実は、単なる報道用語であって、正式な法律用語ではないのです。

ちなみに、「容疑者」という呼び方も、実は報道用語です。
ただしくは、起訴前は、「被疑者」、起訴後は、「被告人」と呼ばれます。

なお、「書類送検」された段階は、起訴するか否かを含め、被疑者の処分が定まっていない状態ですので、何らかの終局的な処分がされたということを意味するものではありません。