紛争の内容

電車内で盗撮をされ,現行犯逮捕されました。その後,ご家族からの依頼があり,直ちに受任し,接見,検察官とも面談し,早期釈放を獲得。また,被害者が若く,激怒する両親との面談を重ね,金銭を支払って示談,許してもらう旨の文言及び被害届取下げを獲得し,不起訴処分となりました。

 

交渉・調停・訴訟などの経過

まず,初動としては,身内の身元引受書の獲得,警察にいる本人と上申書の作成をした上,時間が限られている(逮捕され1~2日で,検察官に送致され,すぐに裁判所に勾留請求されると,裁判官の判断で10日間は勾留されてしまう)ので,直ちに弁護士の意見書を作成し,検察官を説得しました。また,検察官が勾留請求することを見越し,裁判所にも意見書を事前に提出しました。その結果,検察官は,説得に応じ,勾留請求をせず,本人を釈放しました。

その後,釈放されたことで時間に余裕ができたため,被害者側家族と面談を重ね,示談に持ち込むことが出来ました。

 

本事例の結末

本人は,2日で釈放され,さらに不起訴処分となったため,前科も付かず,仕事を続けることができたのでした。

 

本事例に学ぶこと

痴漢や盗撮等の犯罪は,各地方の条例で,迷惑行為防止条例が定められており,処罰の対象となります。さらに,痴漢の態様によっては,強制わいせつという比較的重い罪に問われる可能性もあります。

初動が重要な類型の一つです。

初動を誤り,弁護士の選任が遅くなると,最初に弁護士が接見するのは,勾留「後」,つまり10日間の身柄拘束が約束された「後」になります。その間,家庭や仕事では,信頼を失い,解雇されることさえあるでしょう。

そこで,逮捕「直後」,または予想されている場合には逮捕「前」からバックアッププランなどを通じて,逮捕されたらすぐに弁護士が動ける状態であることが肝要です。

また,示談交渉では,被害者側の意向に最大限配慮することも必要です。

以上の二つが揃えば,早期釈放,不起訴処分を得られる見込みがグッと上がります。