【強制わいせつを10回以上繰り返した少年に,保護観察処分を獲得した事案】
知らない女性に対する強制わいせつを繰り返したという事案で少年は現行犯逮捕されました。
捜査段階では,少年の勾留を阻止するため検察官を説得した結果,勾留請求を阻止することが成功し,逮捕から2日後には釈放され,自宅に戻れました。
その後,事件が家庭裁判所に送致され,少年審判が開始しました。
付添人弁護士は,少年の両親からの要望を受けて,全ての被害者との間で,謝罪及び示談交渉を進めました。中には,一切応じていただけない方もいらっしゃいましたが,審判までに8割近い方との間で,被害弁償と示談が成立しました。
また,性犯罪であることを踏まえ,親の協力を得て,専門医療機関から治療の受入れを約束してもらいました。
付添人弁護士としては,審判前に,担当裁判官や家庭裁判所調査官とも面談を実施し,少年の更生には専門医療機関の治療が不可欠であることや,多くの被害者との間で示談が成立していること,これまでに少年には補導歴一つなく,社会内で更生する家庭環境も整っていることを意見として述べました。
鑑別結果の処遇意見や,家庭裁判所調査官の意見は,いずれも少年院送致を相当とする内容でしたが,審判の結果,試験観察となり,自宅に戻ることができました。
その後,少年の生活環境が安定し,半年近く家庭裁判所調査官との面談を行った後,少年の更生が認められ,無事に保護観察処分となりました。