最近、芸能人の不倫報道が相次いでいます。平成30年1月19日には、音楽プロデューサーの小室哲哉さんが、自身の女性問題をめぐる報道を受け、騒動のけじめをつけたいとして、音楽活動から引退することを発表した事が記憶に新しいかと思います。

不倫は、メディアで大きく取り上げられるものの、法的な問題について不正確な情報を目にすることがあります。
フェイスブックやTwitterなどのSNSでは、「不倫罪で訴えられるらしい」とか、「犯罪だからまず警察に通報すべき」のような投稿があるようです。

 

不倫は犯罪でしょうか?答えは、 「不倫は犯罪にはあたりません」。

 

日本では、刑法、その他法律には、不倫を直接罰する規定はありません。
なお、国内でも、明治時代には、姦通罪という罪が存在し、「夫のある女子が姦通したときは2年以下の懲役に処す。その女子と相姦した者も同じ刑に処する。」として、処罰する規定がありました。
これは、日本国憲法の制定をきっかけに、1947年に廃止となっています。
海外では、いまだに姦通罪が存在している国もあるようです。

では、不倫について何かペナルティーが存在するのでしょうか。

不倫(不貞行為とされるもの)は、民法770条1項1号で定める離婚原因にあたります。
したがって、不倫をした場合は、婚姻者であれば離婚原因にもなりえるし、離婚に伴う慰謝料も払うことになってしまいます。

また、民法709条には、「不法行為」が定められており、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とされています。
不倫をした場合、相手方に配偶者がいれば、不法行為があったとして、損害賠償請求をされるおそれもあります。

このように、不倫は、民事上は「不法行為」に該当するが、刑事上の犯罪には当たらないという事になります。