紛争の内容
取引先の社員から持ちかけられた経理上の処理について、事後的に取引先から詐欺で刑事告訴されている、刑事裁判にならないよう対応してほしい、とのご相談でした。
既に刑事事件化していましたので、私選弁護人として受任しました。
交渉・調停・訴訟などの経過
もともと問題となった経理上の処理の後始末については取引先と社員との間で解決するということになっていましたが、当該社員が亡くなってしまい取引先が当該社員から回収ができなくなったため、ご相談者様に責任追及することにしたのではないかとのことでした。
経緯はさておき、詐欺で刑事事件化している以上、取引先と示談する必要はあると考えたため、取引先に連絡を取りました。
そうしたところ、取引先としても回収ができるのであれば刑事告訴には拘らないとのことでしたので、取引先との間で金銭支払いを条件に告訴取下げを行うという内容の合意を取り付けました。
本事例の結末
合意書に従った金銭支払い及び告訴取下げを経て、後日、刑事事件については不起訴処分としたとの連絡を検察官から受けました。
検察官に不起訴処分告知書の発行を求め、それが手元に届いた段階で事件終了となりました。
本事例に学ぶこと
今回は取引先の一社員から不正な経理処理の依頼を受けたというケースでした。
このような話は取引先に内容を伏せて行われることが多く、露見した場合には取引先から責任追及を受ける可能性がありますので、その点を踏まえ判断すべきということになります。
詐欺事件に関しては被害者の財産的被害が回復できれば不起訴処分を狙うこともできますので、お悩みの場合は是非専門家までご相談ください。
弁護士 吉田 竜二