・詐欺罪について
⑴ 詐欺罪は、「人を欺いて財物を交付させた」(人をだましてお金や物などの財産や利益を交付させた場合)に成立します。例えば、最初からお金を支払うつもりがないのに飲食店で食事をしたりする無銭飲食、無賃乗車(キセル乗車)、社会問題となっている振り込み詐欺・オレオレ詐欺などがあります。インターネットオークションで偽物を売りつける行為も詐欺罪にあたります(この場合、さらに商標法違反にもなる。)。
⑵ 詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
・弁護活動のポイント
⑴ 詐欺をしていない、するつもりはなかったという場合は、詐欺の故意があったかどうかが問題となります。その場合は、何か客観的な証拠があるかを探し、主張の裏付けをする活動が重要です。
⑵ 詐欺をしてしまったという場合は、勾留の阻止や不起訴、執行猶予を目指すためには、被害者との示談が重要です。被害弁償をして示談をすれば、起訴をされてしまっても、執行猶予付の判決がでる可能性がしない時より高くなります。
近年、社会問題化している振り込み詐欺やオレオレ詐欺のような組織的犯罪の場合は、厳しく処罰される傾向にあります。初めての犯罪であっても、実刑になるケースも珍しくはありません。示談をしても、執行猶予がつかないケースも多々あります。
現金だけを受け取る通称出し子や、電話をかける役の通称かけ子についても厳しく処罰される傾向にあります。執行猶予判決を得るには、被害者への弁償・示談、組織からの脱退、事件について素直に述べているか等が重要です。