ご相談をされる方が、呼気検査をした結果、酒気帯び運転の取り締まりのための基準値を上回るアルコールが検出されたのに、お酒に酔っていると思っていなかったと言って、酒気帯び運転を否認するケースがあります。
この場合、ご相談者は、「酒気帯び」状態であることの認識、すなわち、故意を否認していることになります。

そして、「酒気帯び」状態とは、外観上(顔色、呼気など)認知できる状態で、社会通念上酒気帯びと言われる状態にあることを言います。
この定義は分かりにくい定義なので、具体的に酒気帯び状態であることの認識、すなわち、故意があったか否かについて、弁護士は過去の裁判例などを調べて判断します。

この点、地方裁判所の裁判例を見ますと、運転前に飲んだお酒の量、お酒を飲んでから運転を始めるまでにどれぐらい時間が経過したか、酒気帯び運転が発覚した際の運転者の外観(顔色、呼気のにおい)、酒気帯び運転が発覚した原因が交通事故だとするとその事故の内容(あまりにも不注意が疑われる運転であるとアルコールの影響があったことが疑われ、酒気帯びの故意を否認することが難しくなります。)などから、運転者に酒気帯び運転の故意があったか否かを判断しています。